担保を提供する時の注意点

 融資を受けるために担保を設定する際には一つ注意点があります。
それは、融資を受けるために必要となる担保だけを提供し、必要以上の担保は提供しないと言うことです。
一見当たり前のことに感じられるかも知れませんが、土地の提供の場合等に失敗をすることがあります。

 例えば、1000㎡の土地を持っており、その土地の担保評価額が2億円であったとします。
この時に1億円の融資を受けてこの土地の半分に当たる500㎡の土地に賃貸物件を建設することを考えた場合、
500㎡分の土地だけを担保に入れれば融資は受けられるにもかかわらず、
1000㎡すべてを担保として提供してしまう人がいるのです。

 このように必要以上の担保を入れてしまった時には様々な問題が生じます。
例えば、将来的に残りの500㎡を活用したいと思った時、その500㎡はすでに担保として入れられているため、有効活用や売却を行うならば、
担保に入れている金融機関に対しての相談しかできなくなるのです。また、金利交渉もこの金融機関に対してしかできなくなります。

 この他にも、万が一返済が滞った場合には、2億円分のすべての土地が競売にかけられ、失ってしまうこととなります。
もし1億円分の土地のみを担保としていたならば、競売にかけられた後も残り半分の土地は残ることとなります。

 このように、必要以上の担保を提供すると後になって様々な不都合が出てくるため、
あくまでも必要最低限度の担保だけを 担保に入れるようにしましょう。

収益評価について

 ここまで返済年数と担保評価の違いを解説してきましたがここで合わせて紹介しておきたいことがあります。
それは、融資の判断が行われる時には、担保評価のほかにも収益評価が重要になると言うことです。
収益評価とは、物件の収益性の評価のことです。

 収益評価の方法も各金融機関によって違いがありますが、融資の可否を判断する基準は似ています。
例えば民間の金融機関の場合であれば、空室率を20%、金利を6%程度(現在の市場金利に2~3%上乗せした金利)とし、
返済年数を木造ならば20年、鉄骨造ならば25年、鉄筋コンクリート造ならば30年として収支を計算し、
その結果税引き前キャッシュフローが1円でもプラスになれば融資可能となります。

 なぜ金利を6%として計算するのかと言うことですが、これはバブル期の変動金利の平均より少し下回る数値として
6%で収益評価をすれば、今後バブル期のような好景気が訪れない限りは安全圏と見なすことができるためです。

 住宅金融支援機構の判断基準は、空室率を10~20%、金利は現在の機構金利を適用し、
返済年数は実際の借入年数で計算をしたときに、税引き前キャッシュフローがプラスならば融資が可能と判断されます。

融資可能となる担保評価と収益評価の条件

融資可能となるためには、担保評価と収益評価において、以下の条件が同時に満たされる必要があります。

・担保評価
(路線価×80%)+(建物価格×70%)> 融資金額

・収益評価
(金利6%の場合の年間の元利返済額)+年諸経費 < 年間家賃×80%

 収益評価の条件における年間の元利返済額は、借入年数によって変化します。
中古物件であれば、基本的には金融機関が定める耐用年数から築年数を差し引いたもの、
新築であれば木造は20年、鉄骨造は25年、鉄筋コンクリート造は30年を限度として計算することとなります。
また、年諸経費には固定資産税や管理費、修繕費などの合計額です。

 以上の計算を行った時、もし担保評価が満たされない場合には追加の担保を用意する、
自己資金を増やすなどして条件を満たすようにできないかを検討します。新築であれば
、計画規模の再検討やコストダウンを図ることで建築コストを下げることができれば、条件が満たされるかもしれません。
 一方、収益評価が条件を満たさない場合は、融資が受けられない以前に投資価値がない物件として考えたほうがよいでしょう。
この物件は収益が上がらない可能性がある、として金融機関が匙を投げているのですから、
投資家としてもそのような物件に投資をするリスクは負わないほうが賢明です。

 また、もし担保評価が条件を満たさない場合にも、それを補うに足るだけの高い収益性がある物件であれば、
収益性を重視する金融機関からの融資が受けられる可能性があります。
そのため、融資を打診する場合には1つの金融機関のみに打診をするのではなく、必ず複数の金融機関に打診しておき、
融資可能と判断した金融機関の中から、自分の投資スタイルに最も合っている金融機関を選択するようにしましょう。

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